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Pythonの資格試験や勉強方法をご紹介!新試験についてもリサーチしました

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Pythonの資格試験や勉強方法をご紹介!新試験についてもリサーチしました

Python(パイソン)というプログラミング言語をご存知でしょうか。Pythonはさまざまな開発に用いられる言語ですが、特にAI(人工知能)や機械学習の分野で高いシェアを獲得していることで近年注目されています。

実際に業務で扱う現場は増えており、国家試験である基本情報技術者試験もPythonの利用拡大を受け、2020年度からプログラミング言語の選択問題にPythonが追加されたことでも話題になりました。

そんなPythonには知識を測るための民間資格があり、現在受験者数が急増しているのだとか。2022年から新試験も開始予定とのことなので、この記事では今大注目のPythonの資格試験についてご紹介します。

■ そもそもPythonとは?

Pythonとは、コンピュータに動作を命令するためのプログラミング言語の一つです。
もともと「読みやすさ・分かりやすさ」を重視して開発された言語であるため、他のプログラミング言語と比べると文法が分かりやすく、コードもシンプルで読み書きしやすいという特徴があります。シンプルゆえに初心者でも比較的習得しやすいので、初めて学ぶプログラミング言語としても最適です。

また、Pythonは単に読み書きしやすいだけではなく、実用性や汎用性の高さにも優れています。先述したAI・機械学習の分野のほか、WEBアプリケーションの開発でも広く使用されており、世界的に有名なGoogleやYouTube、Instagramといったサービスの開発にも採用されています。

さらに、Pythonはデータ分析や統計解析も得意です。大量のデータを分析できるため、データサイエンスやマーケティングの分野でも重宝されています。

このように初心者でも習得しやすいことや、汎用性が高く将来性を期待できる分野でも用いられることなどから、Pythonは注目を集めている言語だといえます。

■ Pythonの資格試験の種類とその概要

2022年3月現在、国内向けに実施されているPythonの試験は「Python 3 エンジニア認定基礎試験(以下、基礎試験)」と「Python 3 エンジニア認定データ分析試験(以下、データ分析試験)」があります。どちらも一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施している民間資格です。
※Python3とは現行のPythonのことです。(2022年3月現在)

Python 3 エンジニア認定基礎試験の概要と難易度

基礎試験という名前の通り、Pythonの文法基礎を評価する試験です。
出題範囲はPythonの一般知識のほか、主教材である「Pythonチュートリアル」(オライリー・ジャパン社)の内容から出題されます。

▼Python3エンジニア認定基礎試験の概要


基礎試験の2019年7月時点での合格率は約80%なので、比較的合格を目指しやすい試験だといえます。

Python 3 エンジニア認定データ分析試験の概要と難易度

Pythonを使ったデータ分析の基礎やその方法が問われる試験です。数学の基礎や分析実践なども出題範囲に含まれているので、基礎試験に比べると応用的な内容になっています。

主教材としては「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」(翔泳社)が指定されており、問題は主教材の中から出題されます。

▼Python3エンジニア認定データ分析試験の概要


応用的な内容ではありますが、データ分析試験の2021年6月末時点の合格率は約86%なので、日頃からPythonを扱っている方であれば十分合格を目指せるレベルでしょう。

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その他にも、「Python Certifications」というポーランドのNPO団体が主催しているPythonの試験もあります。日本でも受験できますが、試験問題は全て英語なので、英語力に自信がある方や海外で活躍したい方におススメです。

■ Python3認定試験の勉強方法と対策方法

基礎試験・データ分析試験ともに主教材が指定されているので、基本的には主教材をメインに勉強を進めることが合格への近道です。しかも、どちらの試験も主教材の章ごとに「問題数」や「出題数の比率」が試験の公式サイトで公開されているため、試験対策や学習が比較的進めやすくなっています。

基礎試験の主教材(左)・データ分析試験の主教材(右)

主教材の内容を理解するのに手こずってしまった場合は、Pythonを学べるスクールや通信講座を受講するのもおススメです。外部の教材を使用することでPythonの理解がスムーズになり、合格への道のりがグッと近づくでしょう。

また、下記のサイトでは基礎試験とデータ分析試験の模擬試験が公開されています。無料で何回でも挑戦できるので、試験前の腕試しにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
PRIME STUDY(プライム・スタディ)


■ Python試験の受験者数は増加傾向!エンジニア以外の受験者も

2017年6月に基礎試験、2020年6月にデータ分析試験が開始されて以来、両試験の受験者数は年々増加しています。2017年6月〜2020年9月の3年余りで累計受験者数1万人に到達していたのが、2021年はなんと1年間だけで受験者数1万人以上を突破しました。
※参考:週刊BCN「Pythonエンジニア育成推進協会 受験者、直近1年で倍増へ“基本的な作法”学ぶ試験を無償公開

受験者の職種としてはPythonを扱うエンジニアはもちろんですが、業務の自動化やデータ分析にもPythonの活用が浸透し始めていることで、現在はエンジニア以外の受験者が全体の半分を占めているのだとか。
※参考:ASCII.jp「Python試験がITスキル標準(ITSS)のISVマップに登録

企業がAI人材を育成するためにPython試験の受験を促すケースも増えており、今後もさらに受験者数の増加が見込まれています。

■ 新試験が登場!Python3エンジニア認定実践試験とは?

基礎試験とデータ分析試験を実施している一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会は2022年1月、3つ目のPython試験として「Python3エンジニア認定実践試験」を開始すると発表しました。

まずは2022年2月27日にベータ試験が行われ、2022年の夏〜秋を目標に正式版をリリース予定。年間で約3,000人の受験者を想定しているということです。

新試験ではPythonを実践的に使っていく上で重要な仕様やライブラリ(誰でも使えて開発に役立つ便利なプログラムをまとめたもの)の使い方を問う内容になっており、問題は主教材である「Python実践レシピ」(技術評論社)の中から出題されます。

▼Python3エンジニア認定実践試験の概要


難易度としては「Pythonを4、5年経験している人が、主教材を一読すれば、合格できるレベル※」と想定されています。Python3エンジニア認定実践試験は経験者向けの試験なので、基礎試験とデータ分析試験の合格者には次の目標となる試験になりそうです。
※引用:ASCII.jp「「Python3エンジニア認定実践試験」を開始 年間で約3000人の受験を見込む

基礎試験・データ分析試験もまだまだ伸びている途中ですが、今後もPython試験への注目は続きそうですね。

■ Python試験におススメのWライセンス5選

Python試験と併せて取得することで、さらなるスキルアップが期待できる資格・検定をピックアップしました!いずれも受験資格はないので、気になる資格・検定があればぜひチャレンジしてみてください。

1. データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル

データサイエンティストに必要な数理・データサイエンス・AI教育などの知識と実務能力を認定する検定。データサイエンティストを目指したい方や初学者の方におススメ。

試験日:年2回
受験料:11,000円

2. データサイエンス数学ストラテジスト

データサイエンスの基盤となる数学スキル・リテラシーを学び、データサイエンスにおける数学を扱う技能を認定する資格。中級はこれからデータサイエンス数学に関わる方を対象とした試験で、高校1年生程度の数学力があれば合格を目指せるレベル。

試験日:随時
受験料:中級 7,000円 上級 9,000円

3. G検定(ジェネラリスト検定)

ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して事業に応用する能力を持っていることを認定する検定。AIやディープラーニングに関する幅広い内容が出題される。

試験日:年3回程度(3月、7月、11月)
受験料:13,200円

4. AI実装検定

ディープラーニングに関する実装能力と知識を客観的に測る検定。3つのレベルがあり、AI入門者を対象としたB級は、公式教材がYouTubeで無料公開されている。

試験日:年4回程度 ※S級は年1回
受験料:B級  9,900円 A級 14,850円 S級 33,000円

5. 統計検定

統計に関する知識や活用力を評価する検定。AIの開発やデータ分析で統計学を利用することが多いので、統計の知識を身に付ければ知見が広がりさまざまな場面で役立てられる。

試験日:年2回(6月、11月)※CBT方式は随時
受験料:4級 3,000円 ~ 1級 10,000円 ※筆記試験の場合

※各検定の受験料は税込み価格です。
※検定によっては学割価格が設定されています。詳細は各試験の公式HPをご確認ください。

■ Pythonを扱える人材は超売り手市場

IT人材はコロナ禍でも安定して需要があり、現在もその傾向は続いています。

中でもPythonの技術者は圧倒的な売り手市場で、Pythonの技術者の求人倍率(求職者1人あたり何件の求人数があるか)は53.1倍という調査結果※も出ているほどです。
※レバテック「正社員転職・フリーランス市場動向 2021年12月

Pythonの技術者を求める企業はさらに増えていくと予想されるので、エンジニアとしてキャリアアップ・スキルアップしていきたい方は「Python」のスキルを身に付けてはいかがでしょうか。
そして、スキルを身に付けたら客観的なスキルの証明として「Python試験」にもチャレンジしてみてください。


資格予備校のアガルートでは、Pythonを学べる講座やPythonを使った機械学習の技術を習得できる講座をオンラインで展開しています。
プログラミング初心者や文系出身の方でも丁寧にレクチャーしてくれるので、これからPythonを学びたい方は要チェックです!

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編集部アルバイトがアガルートのデータサイエンス講座を受講しました!
受講体験記を記事にまとめておりますので、ぜひご覧ください。
【AI】アガルート講座受講体験記【アルバイトW】


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